岩手県に入る頃には、かなり参っていた。
あまり感情移入して撮影すれば、いいものも悪いものも、それらが自分に流れこんでしまうので、被災地では、できる限りシャットアウトしていたのだが、今回は、それがうまくいかなく、早々にやられてしまった。
あれから二年の月日がながれた被災地。
岩手でも、宮城と同じような光景をただ見つめ写し撮った。
四回目ということもあり、思い入れの場所などもいくつかできた。
それらは、直されたり、そのままだったり、壊されたり。
流された場所に、家が建っていたりビルが建っていたり。
工事現場のど真ん中にいるのかと思うほどに行き交う、ダンプや工事車両。
いろんな人が、いろんな想いを胸に、いろんな形で、この場所にリンクされている。
その場所にいるか、いないかに関係なく、それが存在している。
私は、ただそれらを傍観し、写し撮り伝える。
それが、私にできる事であり、私の使命だと思っている。
多くの魂と多くの傷付いた心が、やすらぎに満ちるその日を、祈ります。
やすらぎ工房
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